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人に好かれる言葉選び

2020年12月

シリーズ・100歳まで健康!!「病気にならない食事術」

このシリーズでは、最新医学に基づいた「新しい常識と体にいい食事術」をクイズ形式でご紹介していきます。今回の情報源は津川友介著『「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社 2018年4月刊)。著者は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科学助教授、医療政策学者で医師。日々、膨大な研究論文やデータからエビデンス(科学的根拠)を読み解く研究をしている医学博士です。

問題: 次の3つのうち、以前は健康に良いと言われていたものの、最新の研究の結果むしろ健康に悪いことがわかったという例はどれでしょうか?

1. ご飯は白い精米をやめて、玄米にする。 
2. 緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンをサプリメントで摂取する。
3. 健康とダイエットのためにリンゴとバナナを毎朝食べる。 





《正解》2
以前は、健康に関係するのは食品に含まれる「成分」であるという考え方から、食品からその成分を抽出したサプリメントがブームになったりしました。しかし、最近の研究で、重要なのは「食品」で、成分そのものではないことが明らかになりました。その顕著な例がβカロテンです。1970年代、生活習慣とガンの発症の関連を調べた研究で、緑黄色野菜や果物を多く食べている人に胃がんや肺がんが少ないことがわかり、これらに多く含まれるβカロテンが注目を浴び、βカロテン入りの清涼飲料やサプリメントがブームになりました。ところがその後の研究で、βカロテンはガンや心筋梗塞のリスクを高めることがわかりました。特にサプリメントによるβカロテン摂取は、膀胱がんの発症率を約50%も高め、喫煙者では肺がんと胃がんのリスクを10〜20%増加させることが報告されました。これらの知見から、緑黄色野菜の摂取は健康に良いものの、そこから抽出された「成分」は、逆に健康を害する危険があることがわかります。