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人に好かれる言葉選び

2023年11月

シリーズ・こんな仕事があったんだ!!

このシリーズでは、海外ならではの「ニッチでユニークな仕事」をクイズ形式でご紹介していきます。

第17回 海外編⑦: ダッバーワーラー(インド・ムンバイの弁当配達人)
問題: インド最大の都市ムンバイには、ダッバーワーラーと呼ばれる弁当配達人が5000人ほどいます。ダッバーと呼ばれる金属容器に入った手作りのお弁当を各契約家庭から集め、昼までにそれぞれの職場に届け、午後に空になった容器を回収して各家庭に戻すというシステムで、1日20万個の弁当を集荷・配達・回収しています。契約家庭のほとんどは職場まで電車で片道1時間半くらいかかる郊外に住んでいるため、1人のダッバーワーラーが直接職場に届けるということはなく、集荷から職場に届けるまで平均6回は中継されます。中継回数が増えればそれだけ誤配送の確率も高くなるわけですが、では実際に誤配送の確率はどれくらいでしょうか。

1. 1万個に一個
2. 30万個に一個
3. 600万個に一個 




《正解》3
解説: ダッバーワーラーは1890年から続いているインドの伝統的職業ですが、近年、その誤配送率の低さが注目されています。アメリカ運輸省の2019年の発表によると、アメリカの空港でのロストバゲージの確率は0.585%。600万個では351,000個の計算になります。その原因の大半は乗り継ぎ時の積み込みミスと言われていますので、6回も中継するダッバーワーラーの誤配送がいかに少ないかがわかります。このダッバーワーラーの誤配送率の低さはニューヨークタイムズなどでも取り上げられました。伝票もコンピュータも使わず、ダッバーを入れる専用の缶の蓋の部分に、「集荷グループ」「最寄駅」「到着駅」「配達グループ」「建物ごとのID」「階数」などが、それぞれ文字ではなく記号や数字で書かれているだけ。文字を使わないのは、ダッバーワーラーたちの識字率が低いからだそうです。600万個に一個という奇跡に近い誤配送による出会いを描いた『めぐり逢わせのお弁当』という映画も作られ、2014年に日本でも公開されました。ちなみに5000人のダッバーワーラーを組織している組合は、2000年にISO9000を取得しています。